慈雲寺

下社周辺

鎌倉幕府に仕えた下社大祝の金刺満貞は、鎌倉五山の建長寺住職一山一寧を師と仰ぎ、郷里に招くと開山として、慈雲禅寺を建立した。広い庭園には一木一石といわれる禅寺の庭にふさわしく、樹齢400年の銘木「天桂松」がある。これは、武田信玄の時代に住職を務めていた天桂玄長禅師が植えたもので、信玄は天桂に深く帰依し、寺領を安堵するとともに、焼失していた伽藍の再興にも努めた。そのため本堂には武田菱が掲げられ、代々寺紋のように受け継いでいる。現在の建物は江戸時代後期に建てられたもので外観は質素ながら、本堂は規模が大きく、太い柱や内陣の彫刻に当時の臨済宗ならではの特色を示す。高島城を建城した日根野織部正高吉の大五輪塔もある。

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